最後だとわかっていたなら
2020年5月25日 03時00分2001年9月11日 アメリカで起きた同時多発テロの後、世界中に配信された、一つの詩がありました。
この詩は、ノーマ・コ―ネット・マレックというアメリカ人の女性が、10歳の息子を亡くした悲しみを表現した詩で、9.11同時多発テロの追悼集会でも朗読され、大きな反響を呼んだ詩です。
しかし、全体の自殺者数が減少し、子供の数も減っているのに、未成年の自殺者は増加しています。
ホームレスを支援するNPO法人抱樸理事長の奥田知志さんは、雑誌の対談の中で、このことを指摘しながら、次のように話されています。
人と人が出会うと、やはり傷つくし、大変なんです。家族といえどもそうです。でも大変でも、人と出会うことに人の幸せはあるのです。「絆」という言葉を平仮名で書くと、最初の二文字は「きず」です。絆は、傷を含みます。人と人が関係を結ぼうとすると、どうしても傷つきます。でも、それを恐れていては社会がなくなってしまう。社会というのは、健全に傷つくための仕組みなのです。私は学校では、そのことこそ教えなくてはならないと思います。どうしたら傷つかずにいきていけるかではなく、人と共に生きていくのは大変だけど、それこそが喜びであり幸せであると。
インターネットやSNS上で、
誰かを攻撃して傷つけてしまわないように。
わたしの発した心ない一言が
誰かの「最後」の言葉にならないように。
そして普段の生活の中で、
感謝の思いを互いに伝えあえるように。
周りの人へのほんの少しの思いやりが
誰かを支えることにつながるかもしれません。
誰も一人では生きていけません。
困ったときには、誰でもいいのです。
「助けて」と伝えてください。