町にある市場でロバを売るため、親子とロバが田舎道を歩いていました。
道端で井戸水を汲んでいた女の子たちが、歩いている二人を見て、あきれたように、次のように言いました。
「なんて馬鹿な人たちでしょう。どちらか一人がロバに乗ればいいのに。」
お父さんはその通りだと思い、息子をロバに乗せて、また歩き出しました。
しばらく行くと、老人たちがたき火をしていました。老人の一人が不機嫌そうに、こう言いました。
「今どきの若い者は年寄りを大切にしない。年老いた父親が歩いているのに、あの子はロバに乗ったままで平気な様子じゃないか。」
息子はその通りだと思い、ロバからおりて、父親をロバに乗せて、また歩き出しました。
しばらく行くと、子供を抱いた母親たちに会いました。一人の母親がこう怒って言いました。
「まったく恥ずかしいことだよ。子供があんなに疲れた様子なのに、どうして自分だけが王様みたいにロバに乗っていられるんだろうね。」
お父さんはその通りだと思い、息子もロバに乗せ、また進みました。
しばらく行くと、数人の若者たちに出会いました。一人の若者はこう言いました。
「あなたたちはどうかしているんじゃないか。こんな小さなロバに二人で乗るなんて。動物虐待だと思われても仕方がない。」
二人はその通りだと思い、ロバを二人で担いで歩いていきました。
町の人たちは、二人の様子を見て、手をたたいて笑いました。
(参考:『座右の寓話』 戸田智弘 Discover21)
6月に入り、暑い日には、本校でもエアコンを入れています。
教室の温度が29度以上になったので、さっそくエアコンをつけると、生徒からは「寒いのでジャージを着てもいいですか」とか、先生方の中にも「少し寒いのではないでしょうか」といった声が聞かれます。
数日後に、各教室を回っても28℃以下で、湿度もそれほど高くないので、扇風機を使用してエアコンをつけないと、生徒からは「今日も暑いです~」といった声が聞かれます。(笑)
学校には学校環境衛生基準というものがあって、教室内の温度が17度から28度が望ましいとされています。
その基準の温度や湿度を参考にして運用していますが、人によって体感温度は違うので、難しいものです。
実際、体育の授業後は暑いでしょう。今日みたいな日は、温度は低いのですが、湿度は高いので、べたっとした状況です。
しかし、各教室で個別につけたり消したりを繰り返すと、電気代がかさむそうです。
学校では磐田市から示されているエアコンの運用指針を基に、エアコンを使用します。
本校では、基準となる温度を超えたら一斉につけて、あとは各教室で温度調整をしていく予定です。
子供たちにとって、少しでも快適な学習環境になるよう、配慮していきます。
エアコン運用指針(掲示用).pdf
「ぼくはきっとできると思う。なぜならぼくらがそれをいまかんがえているのだから」
宮沢賢治
(作家)
今日は入梅にふさわしい雨の一日になりました。東海地方も梅雨入りが宣言され、明日は激しい雨が予想されています。登下校中には十分に注意をしてください。
また、部活動も長い時間が続いて、生徒の皆さんの様子を見ていると、やや疲れが感じられる人も多くなってきました。雨が続くとけがをする人も増えやすいので、室内での練習の際には、捻挫や骨折をしないよう、気を付けてほしいものです。
さて、話は変わりますが、最近のニュースで、アメリカの黒人男性が白人警察官によって殺害されたことに端を発する人権や差別の問題が、様々な場面で話題となっています。
アメリカのスポーツブランドのNikeは、「Just Do It」というスローガンで有名ですが、「For once Don't Do It」というスローガンの次のようなCMを発表しました。
For once, Don’t Do It / Nike
今日、私がおススメする映画は、そんな差別や格差、人種の問題について考えを深められる映画です。
その映画というのは、『タイタンズを忘れない』(原題:Remember The Titans)という、デンゼル・ワシントン主演のアメリカ映画です。
今から約50年くらい前のアメリカでは、公民権法という人種差別を禁止する法律が施行されました。この法律は、投票や教育、雇用等で人種による差別を禁止する法律でした。ケネディ大統領がその成立のために努力しますが、暗殺され、次のジョンソン大統領のときに成立しました。
英語の教科書でも載っているほど、キング牧師の公民権運動に関わる演説はあまりにも有名です。キング牧師もまた、ケネディ大統領と同様に暗殺されました。人種差別の問題がいかに根深いかを物語っています。
キング牧師演説 "私には夢がある" - Martin Luther King "I Have A Dream"
この映画は、そんな公民権法に基づく、白人と黒人が共に学ぶことを求められたバージニア州の高校のフットボールチームが、周囲からの偏見や人種差別を乗り越え、一つのチームとなっていく映画です。
中学生の皆さんにも、観てほしいおススメ映画です。
Remember the Titans Official Trailer (2000)
私は「デンゼル・ワシントンにはずれなし」という信念をもっています。(笑)
彼が主演している映画にはこの他にも、『ジョンQ-最後の決断-』や『マルコムX』といった社会派の、格差や人種差別、宗教といった問題を正面から取り上げた映画がたくさんありますので、よかったら、こちらもおススメです。
子供 Children Learn What They Live
ドロシー・ロー・ノルト
(作家・教育学者/『子どもが育つ魔法の言葉』から)
批判ばかりされた子供は
非難することをおぼえる
殴られて大きくなった子供は
力にたよることをおぼえる
笑いものにされた子供は
ものを言わずにいることをおぼえる
皮肉にさらされた子供は
鈍い良心のもちぬしとなる
しかし,激励をうけた子供は
自信をおぼえる
寛容に出会った子供は
忍耐をおぼえる
賞賛をうけた子供は
評価することをおぼえる
フェアプレーを経験した子供は
公正をおぼえる
友情を知る子供は
親切をおぼえる
安心を経験した子供は
信頼をおぼえる
可愛がられ抱きしめられた子供は
世界中の愛情を感じとることを
おぼえる
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今週末も部活動や社会体育など、先生方や保護者の方、地域の方が、生徒たちと共に汗を流しています。
今日は、そんな様子をレポートします。
バレー部は、外部コーチの方と顧問の松浦先生が一緒になって、指導していました。外部コーチの方の専門的な指導もあり、生徒たちもよく声を出して取り組めています。大変雰囲気が良く、パスやレシーブなど、基本的な技術を意欲的に学んでいました。
バスケットボール部では、外部コーチの保護者の方、そして特別ゲストとして、浜松開誠館高校出身の早稲田大学の現役プレイヤーを臨時コーチに招いて、肩甲骨や体幹といった身体の使い方やパス、ドリブルやシュートなどの最新の技術を教えてもらいました。
「単にバスケットボールの技術を学ぶことや体力を向上させることだけを目的にせず、バスケットボールを通して学んだことを、自分の生き方に生かすことが大事だ」と自分のこれまでの体験を踏まえて話していました。
サッカー部では、顧問の井伊先生から、ボールコントロールなどの細かな基本技術を徹底して教えていただきました。森下先生も一緒になって汗を流しながら、細かな体の使い方をアドバイスしていました。目的に応じてグラウンドやアスファルトなど、使い分けて練習をしています。
陸上競技部でも、平松先生や仁之先生から、熱心に指導をしていただきました。ランニングだけでなく、瞬発力を向上させる様々な練習メニューを工夫して、取り組んでいました。
ソフトテニス部も、上級生が1年生にも分かるように、丁寧に声の掛け方や走り方を指導していました。キャプテンを中心に主体的な取組が大変すばらしいと感心しました。
日曜日には、外部コーチの方が中心になって社会体育として、野球も頑張っていました!
(活動の様子を撮影するのをうっかりして忘れてしまいました。すいません!)
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第1回資源回収の回収期間を一か月間としましたが、PTA施設厚生部の皆さんと先生方が、年度当初の予定日だった6月7日(日)の午前中に念のため、地域を巡回したりコンテナの回収状況を確認したりしました。PTA施設厚生部の皆様と先生方には、休日にもかかわらず、熱心に活動いただきました。本当にありがとうございました。
【PTA施設厚生部の皆様です】
資源回収のコンテナは、すぐに一杯になったので、先日すでに一度コンテナを交換しましたが、2回目も一杯になってきました。
順調に回収できています。皆様の御協力に感謝します。
なお、6月末まで、コンテナは常設します。
生徒の皆さんも、登校したときに、家庭にある資源を少しずつ持ってきてもよいと思います。保護者の方や地域の方だけでなく、生徒の皆さん自身も一緒になって資源回収を行っていきましょう。
今後も、保護者の皆様、地域の皆様の御協力をお願いします。
少し話は変わりますが、「1.01の法則と0.09の法則」という三木谷浩史さん(実業家・楽天の創始者)の言葉を聞いたことがあります。
この言葉は、1.01を365乗すると約37.8となるのに対し、0.09を365乗すると約0.03となるということを紹介したものです。
わずかな努力の差が、一年後には大きな差となるという法則です。
「継続は力なり」という言葉もあります。
子供たちの学びも大人の学びも全く同じことです。ほんのわずかな改善の積み重ねが、大きな力になると信じています。
「あれが僕たちの探している青い鳥なんだ。僕たちは、ずいぶん遠くまで探しに行ったけど、本当はいつもここにいたんだ。」
モーリス・メーテルリンク
(ベルギーの詩人・劇作家/『青い鳥』から)
ある調査によると、人間の幸福度を最も高める秘訣は、周囲の人に対する感謝の気持ちを持つことだそうです。
しかし、人は自分が夢見ていたことが現実になると、そのときは幸福を感じるのですがすぐにその喜びを忘れてしまいがちです。
確かに、何か欲しかったものを買ったときやもらったときは嬉しくてたまらなかったのですが、しばらくして、その喜びや感謝の気持ちが薄くなり、うっかり傷付けてしまい、残念な気持ちになったことがあります。
話は変わりますが、向陽中学校の生徒の様子について、保護者や地域の方から、嬉しいお話を聞かせていただくことが、非常に多いです。
【エピソード1】
地域の方からのお話です。今年の向陽中学校の生徒は、例年以上に、朝夕の通学のときに、自分から爽やかに挨拶してくれるので大変気持ちがよいです。本当に素晴らしいことだと感じますというようなお話を、交通指導の方や交流センターの方など、複数の方から聞きました。
【エピソード2】
保護者の方からの電話です。授業中に先生から授業への取組をほめてもらったと大変喜んでいる、学校に行くのを楽しみにして、帰宅後にすぐ宿題や明日の準備をしている、先生方に感謝していますとのお電話がありました。
【エピソード3】
放課後の職員室での先生たちの会話です。向陽中学校の生徒たちは、先生たちが校内の消毒作業をしているときや、朝の清掃作業、草取りなどをしているときに、自分から挨拶をするだけでなく「ありがとうございます」と感謝の言葉を添えることができる生徒が何人もいて素晴らしいという話がありました。
【エピソード4】
資源回収が月曜日から始まりました。まだ2日目ですが、朝から地域の方や保護者の方が、持ってきてくださっています。コンテナがどんどん一杯になってきました。学校を応援しようとする方が多いことに、本当に感激しています。
『青い鳥』という、メーテルリンクの童話があります。チルチルとミチルという非常に貧しい兄弟が魔法使いのおばあさんに言われて、幸福の青い鳥を探しに行くお話です。このお話では、幸福の青い鳥はどこか遠くにいるのではなく、自分の目の前にいたのです。
自分から挨拶をすることや感謝の言葉を伝えることは、向陽中学校の皆さんにとって、ごく自然な当たり前のことかもしれません。
けれど、そんな皆さんの素晴らしさは、決して当たり前ではありません。
地域の中で、学校の中で、家庭の中で、互いに感謝の言葉を伝え合い、支え合える温かな関係。
そんな文化を、向陽学府全体で、これからも大切にしていきましょう。