News&Culture ~向陽文化~

臨時休業期間じゃなくても読みたいおすすめ本⑥

2020年4月24日 13時11分

「Dream and the Future.  どんな境遇におかれても、夢をあきらめることはできません。前向きに努力を続ければ、たとえ時間がかかったとしても、道が開ける可能性は大きいのです。私がそうでした。」

ディック・ブルーナ
(グラフィック・デザイナー / 『夢を描き続ける力』から引用)

 今回は、特別支援学級を担当している青木先生と、家庭科を担当している林先生がおすすめする本を紹介します。
 臨時休業期間の仕事で、あちこちに顔を出しているのが青木先生です。自分が担当していることはもちろん、他の先生の仕事にも自分からどんどんサポートをしてくれているお助けマン。様々な知識やスキルも豊富で、何でもよく知っているなあと感心させられることが多いです。松浦先生や仁之先生とも協力して、向陽中の情報関係をパワーアップさせている先生です。

1 「青木先生 おすすめの本」

 『世界がもし100人の村だったら』(重松清 / 朝日新聞出版)
 『世界がもし100人の村だったら』
 2000年に作られ、世界的な話題となった本。
 世界の現在の情勢、私たちの知らない現実を分かりやすく学べます。
 社会科の深い内容が、分かりやすく学習できます。
 興味を持った人は、ぜひ2016年版も読んでみてください。
 ◇https://magazineworld.jp/books/paper/1361/


2 「林先生 おすすめの本」

①『生きるぼくら』( 原田マハ / 徳間文庫 )
  原田マハさんの作品を読んでみたいと思って、手に取りました。いじめにあった少年が引きこもりになり、、とよくありそうなお話ですが、人生が変わっていく過程が沁みます。
②奇跡のリンゴ( 石川拓治 / 「NHKプロフェッショナル仕事の流儀」制作班  / 幻冬舎
 ①は米作りで、こちらはリンゴ作りのお話になってしまうのですが、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で放送されたリンゴ農家木村秋則さんのお話です。とにかく色々な人に読んで欲しいと思います。無農薬でリンゴを作ることに成功した木村さんの壮絶な戦いの記録です。
③『ディック・ブルーナ 夢を描き続ける力』( ディック・ブルーナ / KADOKAWA )
 ミッフィーの生みの親、世界的な絵本作家ディック・ブルーナさんの名言集です。「自分が、これならベストを尽くせる、と思う道に進むことが大切だ」などの言葉が人生選択のヒントになればと思いました。

④『ゴミ清掃員の日常』( 著・原作:滝沢秀一 漫画:滝沢友紀 / 講談社 )
 エッセイ漫画なんですが、これもいいですか?
 ゴミの回収は当たり前過ぎて、働いている人のことなど考えたこともない‥という方に読んでいただきたい。売れない芸人さんが、家族のためにゴミ清掃員のバイトをして生活費を稼いでいます。どんな状況になっても、楽しく日常を生きていこうとする姿に元気をもらえるし、ゴミの分別の大切さもわかります。

⑤『技術・家庭科資料集』
 今回の本の紹介の趣旨とは違うかもしれないので、スルーしていただいていいです
 向陽中の生徒全員が持っているはず、です。
 授業で全部は見きれないのですが、お得な情報が満載です。それに、世界の住まいや民族衣装の写真があるので、世界旅行に行った気分?になれます。郷土料理の写真を見れば、国内旅行⁉︎手軽にできる料理のレシピや調理の基本、栄養計算の仕方もわかります。特に家庭分野は、この機会にぜひ見てほしいと思います。
 
 
新学期に、私(教頭)が楽しみにしていた授業に、林先生の家庭科の授業があります。
 実は、家庭科の授業では新学期最初に、マイマスクづくりを予定していて、材料も苦労して準備してあったのです。
 残念ながら、臨時休業期間がさらに延長になったので、当分の間、その授業もお預けになりました。

 どの教科の授業でもそうですが、学校での学びは、常に世の中のこととつなげて考えることが大切だ」と、林先生に教えられた気がします。
 早くみんなが、マイマスクを作れる日が訪れることを、本当に楽しみにしています。

臨時休業期間じゃなくても読みたいおすすめ本⑤

2020年4月23日 23時08分

「It takes a village.  英国の人々は子育てについてこんな言葉をよく使う。『子育てには一つの村が必要=子どもは村全体で育てるものだ』という意味だが、うちの息子を育てているのも親や学校の先生だけじゃない。こうやって周囲のいろいろな人々から彼は育てられてきたのである。」

ブレイディみかこ
(作家 / 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』から引用)

 松﨑先生は様々なことに気が付いて、まるでアニメの主人公のようにスピーディーに、思ったことをどんどん実現していく先生です。大柳豆先生は、温かな人柄がその語り口や表情から分かる先生です。大柳豆先生がそこにいてくれるだけで、なんだか安心できる。そんな温かな先生です。じっくりと粘り強く自分の仕事に取り組む誠実な松浦先生、すごく前向きで新しいことに挑戦している青木先生を加えた2年部の先生方のチームワークも他学年同様、個性的ですばらしいです。
 今日はそんな2年部の先生の中から松﨑先生と大柳豆先生のお二人に本を紹介していただきました。 

1 「松﨑先生 おすすめの本」

 『ニワトリは一度だけ飛べる』(重松清 / 朝日新聞出版)

 重松さんの本は、「きみの友達」から「きよしこ」「空より高く」など何冊か読みました。今回は、本屋で目について買った本です。毎回彼の話は、目の前に描写が浮かぶようなストーリーで、ぐいぐいと引きつけられるのが特徴だと思います。
 今回の本も、会社のリストラ対象の「イノ部屋」へ送られた3人の物語がオズの魔法使いの話と絡めて進みます。そして、最後に・・・。ラストが楽しみな一冊です。是非、読んでみてください。そして、これを機会に他の重松さんの本も手に取って見てほしいと思います。
 

◇ニワトリは一度だけ飛べる/重松清/朝日新聞出版


2 「大柳豆先生 おすすめの本」


 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 (ブレイディみかこ / 新潮社)

 1冊紹介します。ノンフィクション本です。作者の息子(中学生)がイギリスの学校に通い、学校の日常で起こる人種差別や偏見、いじめや貧困問題を目の当たりし、それに対し考え、成長していく話です。そのような社会問題の中でどう生きていけばいいのか考えさせられる本です。この本のタイトル、イエロー、ホワイト、ブルーは何を意味しているのでしょう。ぜひ読んでみてください。


臨時休業期間じゃなくても読みたいおすすめ本④

2020年4月22日 10時15分
「判断に迷った時は、より大きな集団の利益を優先することだ。自分よりも仲間たち。仲間たちよりも社会全体。そうすれば判断を間違うことはないだろう」

アルフレッド・アドラー

(オーストリア出身の精神科医 / 心理学者)


 今日は、1年部の後藤先生と森下先生、そして井伊先生がおすすめする本を紹介します。

1 「井伊先生 おすすめの本」


 『旅猫リポート』(有川 浩 / 小学館文庫)

 福士蒼汰さん主演で映画化もされました。有川浩さんの旅猫リポートです。野良猫のナナは、瀕死の自分を助けてくれたサトルと暮らし始めた。それから五年がたち、ある事情からサトルはナナを手離すことに。「僕の猫をもらってくれませんか?」一人と一匹は銀色のワゴンで最後の旅に出る。懐かしい人々や美しい風景に出会ううちに明かされる、サトルの秘密とは。ラストは井伊直樹号泣。

 ◇旅猫リポート/有川浩/講談社BOOK倶楽部

2 「森下先生 おすすめの本」

 『バッタを倒しにアフリカへ前野 ウルド 浩太郎 / 光文社)

 これは一人の男の勇気ある物語である。
 先日ニュースで、アフリカの国、エチオピアで衝撃のニュースが流れた。「100万人が食料不足に困っている。原因はバッタ。」
 バッタが人間の食料を荒らしてしまっているというのだ。
 そのような状況を見て、遠く離れたここ日本で一人の日本人が立ち上がる。何度も失敗するが彼は決してあきらめない。彼が最後に手にしたものとは・・・
 これはオーストラリアに住む前に、「日本から一冊本を持っていきたい!」と選んだ本です。あまりに面白くて、行きの飛行機で全部読んでしまいました。世界で活躍する日本人、そしてこれから新たな世界に向かう自分の境遇を重ねてすごく胸が熱くなりました。ぜひ、世界へと挑戦する男の活躍を目に焼き付けてください。 

 ◇バッタを倒しにアフリカへ/前野ウルド光太郎/光文社


3 「後藤先生 おすすめの本」

 
嫌われる勇気』岸見一郎・古賀史健 / ダイヤモンド社)

「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」と断言し、対人関係を改善していくための具体的な方法を提示するアドラー心理学について、哲人と青年の会話形式でまとめられています。
「こういう悩み、あるある!」と呟きたくなってしまうだけでなく、自分自身を見つめ直すことができる一冊です。


 1年部の先生は、非常に平均年齢が若く、フレッシュです。生徒の皆さんとも年齢が近いので、様々な相談もしやすいのではないでしょうか。一緒に親身になって考えてくれるお兄さん・お姉さんのような存在になりそうです。
 また、主任の井伊先生は、ベテランらしく様々なことに目配りをして、二人の若手の先生たちに、丁寧にアドバイスをしたり一緒に準備したりして、安定感抜群でリードしています。
 そんな1年部の先生方は、向陽中学校に、新しい風を吹かせてくれています。

臨時休業期間じゃなくても読みたいおすすめ本③

2020年4月21日 15時30分
自分に薄く、その余力をもって人の為に尽くせ
 出光佐三 
実業家 / 出光興産創業者

 今日は、平松先生と仁之先生がおすすめする本を紹介します。世の中の小説には、映画化された本がたくさんありますが、二人が薦める本も、そんな映画化された本です。
 映画化されると、時間の関係で描き切れない部分があったり、なんだか消化不良の映画もあったりしますが、この二本の映画はどちらもおもしろいので、本当におすすめです。
 でも、「ぼく駐」の方は、親と一緒に観ると気まずくなる場面が少なくないので、少しだけ気を付けてください。(笑)


1 「平松先生のおすすめしたい本」


 『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』(ママチャリ / 小学館文庫)

 「やられたらやり返すっ!」時は1970年代。ヤンチャでイタズラ好きの男子高校生たちと、町の駐在さん(=警察:国家公務員)が田舎町を舞台にイタズラ合戦を繰り広げる。青春を楽しみたい人、青春を忘れてしまった人に読んでほしい、おバカで笑えてちょっぴり泣ける、半分実話の小説です。

 https://www.shogakukan.co.jp/pr/bokuchu/

2 「仁之先生のおすすめしたい本」

 『海賊とよばれた男』(上・下)(百田尚樹 / 講談社)

 第2次世界大戦で敗戦し、物資がなく、困窮する日本。そんな時代に、石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐵造が、世界の石油会社の利権と闘いながら日本に石油を供給しようと奮闘し、それを実現し、日本の経済復興を手助けしたという、実在の人物をモデルにした本格歴史小説。
 今の日本があまり不自由なく平和に生活できるのは、これまでの先人たちの努力があってこそであることに気づかせてくれる本です。日本人の「和の精神」(親しみ、穏やかさ、助け合い、他人を思いやる)を再確認させてくれます。映画化もされているので、ぜひ見てください。
 上巻、下巻とあり、本も厚いので、上級者向けかも・・・。

 3年1組担任の平松先生は、修学旅行も進路も国語科主任も学校図書館も担当して、かなり仕事が多いのですが、涼しい顔ですいすい仕事を進めています。生徒の皆さんにとってはお姉さん的存在の、優しい先生ですが、実力派でとても頼りになります。
 
 仁之先生は、向陽中学校の教務主任です。学校のリーダーとして活躍しています。様々な行事の予定や時間割等、学校全体の計画を調整して、学校の教育活動がスムーズに進むように、対応しています。
 今年は、新型コロナの関係で、何度も何度も教育計画を作り直しているのですが、臨機応変に素早く対応しています。また、向陽学府の小学校の先生とネットワーク上での会議も可能にしてくれました。そんな仁之先生のことを、職員室では「スーパーひとし君」と呼び、みんながすごく頼りにしています。

学校が再開する日のために

2020年4月21日 07時30分

「一日の仕事を終えて、『今日は自分ながらよくやった』と自分で自分の仕事をたたえることができる人、それを持続することができる人こそが、世の中の成功者といえるのではないか。」

松下幸之助
(パナソニック創業者/発明家/著述家)

 向陽中学校の生徒の皆さん、臨時休業が続いていますが、どんな過ごし方をしていますか。なかなか生活リズムや曜日の感覚もなくなってきたという人もいるかもしれません。
 生活リズムを作るには、決まった時間に起き、歯を磨いたり、着替えたりといった朝の行動を行うと、よいそうです。時間割を立て、見えるところに掲示しておくのもよいようです。
 土日と平日の過ごし方も、明確に区別すると曜日の感覚も出ますね。平日は毎日勉強し、土日は読書をしたり、家族でゲームをして、のんびりしたりするのもよいでしょう。
 我が家では、毎日夕飯を食べた後、トランプで洗い物をする人を決めています。遊びながら家事を分担することができるのでお勧めです。最近は、食洗器を使っている家庭も多いと思いますが(笑)。

 さて、今週も学校では、ホッとラインでの健康確認アンケートの返信がなかった家庭に電話連絡をしたり、お便りの作成をしたりと、それぞれの先生方が協力をして働いています。

 2年部の先生方は、教室の掲示板の補修作業にチャレンジしていました。学生協の方にも補修作業のアドバイスをもらいながら、自分たちで修繕してくれました。プロに頼むときれいですが高いので、なるべく安く仕上げるために、先生方が頑張ってくれています。

1 掲示板の破れているシートをはがすと、下からこんな板が見えてきました。

2 下地処理をする大柳豆先生と松浦先生。室内では松﨑先生が頑張っていました。

3 さらに学生協の方に、アドバイスをもらいながら、シートを壁に接着していきます。



4 とてもきれいになりました!感謝です!



 少し、話は変わりますが、「一隅(いちぐう)を照らす」という言葉があります。有名な言葉なので、生徒の皆さんの中にも聞いたことがある人もいるかもしれません。
 この「一隅を照らす」という言葉は、天台宗を開かれた伝教大師最澄(でんぎょうだいし・さいちょう767~822)が書いた『山家学生式』(さんげがくしょうしき)の冒頭にあるそうです。

「国宝とは何物ぞ、宝とは道心なり。道心有るの人を名づけて国宝と為す」

 最澄のこの言葉には、「国の宝とは何か。それは人としての心だ。自分に与えられた役割や担当する場所を照らし、精一杯努力する人こそが国の宝だ」という意味があるそうです。
 先生たちも、学生協の方も、向陽中学校で学ぶ生徒たちが少しでも良い環境で過ごせるようにと、努力してくれています。

 みんなも頑張っていると思いますが、大人もそれぞれの立場で頑張っています。
 新型コロナウイルスと医療現場で格闘している医師や看護師などの医療スタッフの方たち、農業や工業、物流やサービスなど、それぞれの人たちが、社会を懸命に支えています。
 生徒の皆さんにできることは、家庭学習と家族の一員としての協力だと思います。洗い物をしたり、洗濯物をたたんだりすることくらいはできると思います。
 誰かを幸福にするために、みんなで一隅を照らしていきましょう。


 ちなみに下の写真は、数年前に京都の比叡山に行ったときに撮影した写真です。比叡山は天台宗の総本山です。新型コロナウイルスが終息したら、行けるといいですね。


【参考】なお、今回の記事を書くときに「一隅を照らす人になろう!」というウェブサイトを参考にしました。https://ichigu.net/person/