~ 向陽学府 小中一貫教育構想 ~

〇一貫教育を推進する4つのプロジェクト
□すこやかプロジェクト(健康・生活)
□まなびプロジェクト (学習・研修)
□かかわりプロジェクト(特別活動・特別支援)
□つながりプロジェクト(地域連携)

※向陽学府の小中学校の教職員が、4つのプロジェクトチームのいずれかに所属し、9年間の学びや育ちのための取組を検討していきます。

〇向陽学府の一貫教育を推進していくために

現代社会は、人生100年時代を目前にして超スマート社会(Society 5.0)の実現に向けて、人工知能(AI)やビッグデータの活用など、社会変革や技術革新が驚くほど急速に進んでいます。
その一方で、我が国には、人口減少や高齢化の進展、貧困や格差などの社会経済的な課題、グローバル化の進展や国際的な地位の低下、環境問題やエネルギー問題など、克服が難しい、複雑で多様な問題があります。
我が国にとって、こうした激動の時代を生き抜き、多様な価値観を尊重しながら、自分自身と多くの人の幸福を両立させていく、誰一人取り残さない社会を具現化するためには子供たちを含め、全ての人を対象にした、質の高い教育による「人づくり」が極めて重要です。
そのため、広く国民の間で、「よりよい学校教育を通してよりよい社会を創る」という理念を共有し、「社会に開かれた教育課程」を実現する等、社会全体で教育改革を推進することが求められています。
そのような状況の中、磐田の教育では「子どものつながり」「地域とのつながり」「教師のつながり」の三つのつながりを深めることにより、「国際社会の中をたくましく生きる力」を育む教育を推進し、「新時代の新たな学校づくり」に取り組んでいます。


○取組の柱
磐田市教育委員会が掲げる「つながり」を大切にする教育を推進しています。
「人とのつながり」では、様々な行事をとおして、小学校間の児童のつながりや小中学校間の児童生徒の交流、保護者や地域住民との交流を行っています。
「地域とのつながり」では、CSD(コミュニテイ・スクール・ディレクター)が中心となり、総合的な学習の時間などにおいて、地域の皆様のサポートをいただきながら、学びを深めています。
「教職員のつながり」では、それぞれの学校がこれまでに積み上げてきた様々な学校文化を相互に理解し、子供の学びを中心とした授業デザインや、9年間を貫く向陽学府のカリキュラムの検討などについて、学府での合同研修会を複数回にわたって実施しています。

○学府の特色と課題
学府の子供たちは、人の温もりのある恵まれた環境の中で育っています。多世代同居の家庭も比較的多く、地域住民同士のつながりも強いことが伺えます。子供たちの真面目さや素直さ、互いを思い合うやさしさが、落ち着いた授業態度や温かな表情、気持ちのよい挨拶に表れています。
子供たちは、小さい頃から大人からの愛情を受けて育っており、情緒が安定し、素直で優しい子供が多く、更に地域行事の中に子供たちが活躍できる機会も多いというよさがあります。
また、学府内の小・中学校は比較的に規模が小さく、教師や大人の目が行き届き、一人一人の子供に温かくきめ細かな支援を行いやすい環境にあります。向陽学府の学校においては児童生徒の日常生活の様子や日記等から悩みやトラブルに早い段階で、教師が気付き、対応できることも多いメリットもあります。
その一方で、令和2年度学府合同研修会において、「対話や聞く姿勢に関して子どもの意識が高まっている」よさと同時に「最後までしっかり聞くこと」「家庭学習を含め、自分で調べる力」など学習に取り組む構えについて、小中共通の課題として挙げられています。
 

○向陽学府小中一貫教育の方向性
向陽学府の強みは、状況に応じて弾力的に変化できる、小回りの利く小規模校であること、豊かな自然環境を生かした教育が推進できること、各学校への協力を惜しまない保護者や地域の方々の支援体制などがあります。
各教科や道徳科での主体的で対話的な深い学び、特別活動での様々な集団や異年齢における体験活動、総合的な学習の時間における地域の産業や福祉施設などでの探究的な学びを一貫して進めています。
向陽学府ならではの、温かできめ細かな学びをとおして、将来の夢や希望を育み、生きる力を身に付け、地域社会や国際社会で貢献できるたくましい人に成長できるよう、9年間を見通したカリキュラムを基に、小中一貫教育を一層推進していきます。