News&Culture ~向陽文化~

コンテナに入っているのは資源だけではない

2020年6月3日 04時42分

「あれが僕たちの探している青い鳥なんだ。僕たちは、ずいぶん遠くまで探しに行ったけど、本当はいつもここにいたんだ。」
モーリス・メーテルリンク
(ベルギーの詩人・劇作家/『青い鳥』から)

 ある調査によると、人間の幸福度を最も高める秘訣は、周囲の人に対する感謝の気持ちを持つことだそうです。
 しかし、人は自分が夢見ていたことが現実になると、そのときは幸福を感じるのですがすぐにその喜びを忘れてしまいがちです。
 確かに、何か欲しかったものを買ったときやもらったときは嬉しくてたまらなかったのですが、しばらくして、その喜びや感謝の気持ちが薄くなり、うっかり傷付けてしまい、残念な気持ちになったことがあります。

 話は変わりますが、
向陽中学校の生徒の様子について、保護者や地域の方から、嬉しいお話を聞かせていただくことが、非常に多いです。

【エピソード1】
 地域の方からのお話です。今年の向陽中学校の生徒は、例年以上に、朝夕の通学のときに、自分から爽やかに挨拶してくれるので大変気持ちがよいです。本当に素晴らしいことだと感じますというようなお話を、交通指導の方や交流センターの方など、複数の方から聞きました。

【エピソード2】
 保護者の方からの電話です。授業中に先生から授業への取組をほめてもらったと大変喜んでいる、学校に行くのを楽しみにして、帰宅後にすぐ宿題や明日の準備をしている、先生方に感謝していますとのお電話がありました。

【エピソード3】
 放課後の職員室での先生たちの会話です。向陽中学校の生徒たちは、先生たちが校内の消毒作業をしているときや、朝の清掃作業、草取りなどをしているときに、自分から挨拶をするだけでなく「ありがとうございます」と感謝の言葉を添えることができる生徒が何人もいて素晴らしいという話がありました。

【エピソード4】
 資源回収が月曜日から始まりました。まだ2日目ですが、朝から地域の方や保護者の方が、持ってきてくださっています。コンテナがどんどん一杯になってきました。学校を応援しようとする方が多いことに、本当に感激しています。






 『青い鳥』という、メーテルリンクの童話があります。チルチルとミチルという非常に貧しい兄弟が魔法使いのおばあさんに言われて、幸福の青い鳥を探しに行くお話です。このお話では、幸福の青い鳥はどこか遠くにいるのではなく、自分の目の前にいたのです。

 自分から挨拶をすることや感謝の言葉を伝えることは、向陽中学校の皆さんにとって、ごく自然な当たり前のことかもしれません。
 けれど、そんな皆さんの素晴らしさは、決して当たり前ではありません。
 地域の中で、学校の中で、家庭の中で、互いに感謝の言葉を伝え合い、支え合える温かな関係。
 そんな文化を、向陽学府全体で、これからも大切にしていきましょう。