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「教えるとは希望を語ること 学ぶとは誠実を胸に刻むこと」

2020年5月1日 23時03分

「教えるとは希望を語ること 学ぶとは誠実を胸に刻むこと」

ルイ・アラゴン

(フランスの小説家・詩人 / 大島博光 訳『ストラスブール大学の歌』から引用)

 

今年度は、新型コロナウイルス感染予防のため、様々に予定されていた出張はほとんどなくなりました。
 そんな中で、今日は久しぶりの出張がありました。感染拡大を防止するために、換気やソーシャルディスタンスに注意した会場において実施されました。
その会議の冒頭で、磐田市内のある校長先生が、このアラゴンの言葉を紹介されました。

 

この言葉は、フランスのストラスブール大学の数百名の教授や学生たちが、ナチスによって銃殺されたり、拘束されたりしたことを題材にした詩の中の言葉です。
 大学の教授や生徒たちは、ナチスから逃れて、フランスの中部地方に大学を移し、そこで教育を続けたそうです。

 

その校長先生から、アラゴンの言葉を紹介されたときに、そのことを思い出しました。

 

ナチスの迫害から逃れた場所で、教育を続けた教授たちと、必死に学び続けた学生たち。

 

コロナウイルスの難を逃れ、臨時休業が続く中でも、それぞれの学校で何とかしようと工夫をしている全国の先生たち、そして、家庭学習を工夫して取り組んでいる児童や生徒たち。

 

何だか、今の私たちの状況ともつながる気がして、しばらく様々なことを考えさせられました。

 

この『ストラスブールの歌』の「教えるとは…」の後には次のような言葉があります。

 

古今の学に通じた教授たち

審判者のまなざしをもった若者たち

君たちはそのかくれ家で

大洪水の明けの日にそなえた

再びストラスブールに帰る日に

 

静岡県や磐田市では、5月末までの臨時休業期間の延長を決定しました。

 村松啓至教育長の「第一に、何よりも子どもたちの『いのち』、職員の『いのち』を大切にしたい」というメッセージの重みを、このアラゴンの詩を思い出したことで、改めて感じました。

臨時休業期間の延長の意味を改めて真剣に受け止め、私たちや家族、地域の人たちの「いのち」を守るために、外出を自粛し、誠実に行動しましょう。
 今日の出張で、各学校の先生たちもそれぞれの学校で精一杯努力していることを実感しました。対話をすることの重要性も改めて感じました。

 出張を終えて私が学校へ戻ると、職員室には登校日に配付する、家庭学習アドバイスのプリントを丁寧に作成している井伊先生や、日課をもう一度考えている仁之先生たちがいました。
 私たちも、それぞれの学校で、子供たちが学校に帰る日を願いながら、希望を胸に準備しています。
 再び、学校に帰る日まで、皆さんも誠実に家庭学習を継続してください。

 勉強のことだけではありません。
 何か困ったことがあれば、学校に連絡してきて下さい。

 先生たちは、いつでも君たちを応援しています。